主な活動内容
- 産学官連携の強化、新たな研究開発プロジェクトのインキュベーション
下記の外部資金を獲得することにより、産学官連携の研究開発プロジェクトを推進した。
- [科研費基盤研究(A)]
- 車々間マルチホップアドホックネットワーク基盤技術の研究開発 (35,800千円)
- 大規模災害時の避難所における情報通信環境 革新に関する研究 (36,400千円 )
- ミニ電気自動車を用いたアドホックネットワークとその利用に関する研究 (37,000千円 )
- [総務省・戦略的情報通信研究開発推進制度]
- 次世代アドホックネットワーク基盤技術に関する研究開発 (94,685千円)
- オープンメッシュネットワークの開発研究 (98,223千円)
- 研究開発を支援する広域テストベッドの確保
アドホックネットワーク・無線メッシュネットワークの大規模屋外テストベッドを新潟大学キャンパス内に構築し、2005年には産学官11機関が参加する実験チームにより、ノード数70の当時としては世界最大規模のアドホックネットワークの構築、動作を成功させた。本テストベッドはコンソーシアム・メンバ他のアドホックネットワーク関連の研究開発において、新技術の動作検証、性能評価にも活用された。
- 次世代アドホックネットワークの要求条件明確化
上記テストベッドの利用等により実証的な研究開発を推進し、その成果は以下の著書、招待論文等にまとめられた。また、日立製作所よりアドホックネットワーク・ノードシステムが製品化された。
- 著書
- 間瀬憲一, 阪田史郎, "アドホック・メッシュネットワーク −ユビキタスネットワーク社会の実現に向けて−," コロナ社, 2007年9月
- 小牧省三, 間瀬憲一, 松江英明, 守倉正博, "無線LANとユビキタスネットワーク," 丸善, 2004年2月
- 招待論文
- 間瀬憲一, 斎藤卓也, 高靖, "電気自動車を利用する大規模災害時の通信確保及び被災地モニタリング," 電子情報通信学会論文誌, 2013年6月
- 松井進, "アドホックネットワークの実用化に向けた課題と実用化動向,"日本信頼性学会誌, Vol.34, No.8, pp.532-539, 2012年11月
- K.Mase, "Information and Communication Technology and Electric Vehicles - Paving the Way toward a Smart Community," IEICE Transactions on Communications, vol.E95-B, no.6, pp.1902-1910, 2012年6月
- K.Mase, "How to Deliver Your Message From/To Disaster Area," IEEE Communications Magazine, vol.50, no.1, pp.52-57, 2011年1月
- 間瀬憲一, "車々間通信とアドホックネットワーク," 電子情報通信学会論文誌, vol.J89-B, no.6, pp.824-835, 2006年6月
- 阪田史郎, 青木秀憲, 間瀬憲一, "アドホックネットワークと無線LANメッシュネットワーク," 電子情報通信学会論文誌, vol.J89-B, no.6, pp.811-823, 2006年6月
- S. Obana, B. Komiyama, K. Mase, "Test-Bed Based Research on Ad Hoc Networks in Japan," IEICE Transactions on Communications, vol.E88-B, no.6, pp.3508-3514, 2005年9月
- 国際標準化活動への貢献
新潟大学テストベッドを利用し、2006年10月、OLSRv2の国際標準化を推進するグループ(仏、米、ノルウェー、カナダ、日本の5カ国)による国際共同実験を実施[1]すると共に設計チームの一員として、OLSRv2の仕様策定への協力、実装開発等、標準化活動に貢献した[2], [3]。
IETFで標準化中のアドホックルーティングプロトコルOLSRv2の実装を新潟大学と日立製作所で独立にタイムリーに進め、2010年10月に相互接続実験に成功した。この結果はIETF会合に報告され、国際標準化貢献を行った。本コンソーシアム・メンバから4名(佐藤、門田、間瀬、湧川)がContributosとしてリストされている[2]。OLSRv2の実装を開発した7機関の中に、日立製作所、新潟大学がリストされている[3]。
また、アドホックネットワークの代表的ネットワークシミュレータである米Scalable Network Technologies社のQualnetに、新潟大学開発のOLSRv2実装の標準搭載の要請を受け、技術資料の提供・公開を行い、2006年に搭載された。
- http://www.ietf.org/proceedings/67/slides/manet-4.pdf
- The Optimized Link State Routing Protocol version 2
https://datatracker.ietf.org/doc/draft-ietf-manet-olsrv2/?include_text=1
- IESG Writeups, https://datatracker.ietf.org/doc/draft-ietf-manet-olsrv2/writeup/
- アドホックネットワーク技術の認知度向上
災害地においてアドホックネットワークを迅速に構築するため、気球を利用するスカイメッシュの構想を提案し、実証実験を行った。近年、ソフトバンク、NEC、Googleにより気球搭載の携帯基地局・中継局等の構想が提案されているが、その先駆けとなる提案であった。
中越地震により被災した旧山古志村の復興に資するため、ブロードバンドサービスの提供困難地域に対して、無線メッシュネットワークを2006年に構築し、その後約4年間住民モニターにインターネット接続サービスを提供した。東日本大震災により被災した東松島市宮戸地区に無線マルチホップに基づくインターネット回線を2011年5月に構築し、開発した避難所通信サービスを避難所利用者に提供することにより、大規模災害時の通信確保の実践を行うとともに諸課題を明らかにした。本サービスは避難所利用者の誰でも容易に利用でき、外部のインターネット利用者との間に双方向の通信手段を必要最小限の通信容量で提供可能な画期的なものである。
この他多数の国内・国際会議の招待講演、解説記事執筆、YRP情報通信技術研修・講師等の活動を活発に行い、本分野の技術体系化、研究開発の進展、産業化促進に寄与した。23年5月2日には、日経エレクトロニクス5月末号の「震災復旧に役立った通信技術」をテーマとした解説記事企画に関連し、取材を受けた。
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